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開発が進み、基幹道路が近くを走る埼玉県川越市周辺の河川敷。

今春、メスのキツネが3頭の子を出産した。子ギツネは両親とヘルパーといわれる若いメスに見守られ、巣穴から出るまでに成長した。母親に「石松」と名付け、生まれた当時から観察してきた川越市の川越陣力屋社長、江田幸一さん(61)は「あのやんちゃな子ギツネがお母さんになったのか」と感慨深げだ。(石井豊)

夕闇が辺りを包み始めた4月29日午後6時半過ぎ。草の陰から若いキツネが現れ、周囲を見渡すと姿を消した。「ヘルパーです。異常がないか、確認に来たんです。間もなく子供たちが来ますよ」と江田さん。1頭、2頭…。耳がピンと立ち、若々しい毛並み、親の半分にも満たない体。3頭の子ギツネがやってきた。

ふと、草むらの奥を見ると、1頭の大人のキツネが顔をのぞかせている。「石松です。子供たちが危なくないように警戒しているんです」と江田さんが教えてくれた。

石松と江田さんの出合いは平成18年春。前年から追いかけていたキツネのペアに4頭の子ギツネが産まれた。中でも「やんちゃで、猫みたいに飛び上がったり、母親に突進してぶつかったり」、元気なオスとみえた子ギツネに、森の石松に重ねて石松と名付けた。間もなくメスと判明したが、名前は変えなかった。

「石松は尾の先端の白さが他のキツネとは違う。毎日見ていると、顔も優しい顔をしていて(違いが)分かるんです」と江田さん。

「次はこの子の赤ちゃんが見たい」と夢中になって毎晩観察を続けた。だが、キツネのすむ河川敷は人間が利用する施設と隣り合わせで、昨年は巣穴付近まで開発工事が進行。キツネは姿を消し、周辺で石松と父親を時折見かける程度になってしまった。

そんな石松との再会は今年1月。大雪の後、早朝からキツネの痕跡を求めて捜索し、以前の巣穴から約100メートル離れた場所で多数の足跡を見つけた。「ここにキツネがいる」と確信し、慎重に周囲を探した結果、ペアを見つけた。石松と若いオスだった。再び、連夜のキツネ通いが始まった。ついに4月22日夜、生後数カ月とみられる1頭の子ギツネが観察場所に現れ、念願の「石松の子」との対面を果たした。その後、現れた石松の子は3頭にまで増えた。

産まれて間もない時期から、2年余も石松の観察を続けてきた江田さんは「石松の子供たちを見ることができたときは本当に感動した。ここで暮らすことはキツネの権利。人間も(開発など)権利を主張するだけでなく、本当の意味の保護をすることが必要だ」と話している。

キツネ イヌ科。本州などにいるのはホンドキツネ、北海道にはキタキツネ。生息地周辺の開発が進み、都市近郊で目撃されることはまれになった。埼玉県内の絶滅の恐れのある野生動物を掲載した「埼玉県レッドデータブック2008」によると、地帯別危惧(きぐ)種に指定され、荒川以西では広大な平地林や荒川、江戸川の河川敷などで確認されるにとどまっている。

(MSN産経ニュースより)
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